
ここを取り違えると、次にやるべきことも変わります。
処分としての不許可が出ているのであれば、その理由に対応する話になります。
まだ申請が出ていない、あるいは書類の不備を指摘されている段階であれば、何を整えるかという話になります。

「買えない」と言われた場合でも、まず相談・申請・審査・処分のどの段階なのかを確認することが重要です。
この記事では、まず段階の確認方法を整理し、そのうえで実際に「受付できない」と伝えられた1件の経過と条件を、確認できた範囲だけで示します。
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農地が買えないのは審査の結果か?いま手続のどこにいるのかを確認する
農地法第3条の手続では、申請と許可は別のもの
書類を持って窓口に行ったことと、許可・不許可が決まったことは、同じではありません。
農地の売買や貸借を行う場合、原則として農業委員会への申請と農地法第3条の許可が必要とされています(農林水産省/2026年8月確認)。
権利の移動そのものに許可という別のステップが置かれているため、書類を提出した時点で結論が出るわけではありません。
なお、窓口では「受付」「受理」といった言葉が使われることがあります。
ただし、これらの語が全国どこでも同じ一つの法定段階を指していると断定できる根拠は、今回確認できていません。
本記事でも、これらの言葉を一律の段階としては並べません。
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自分がどこにいるかを確認する3つの軸
前項の整理を、実際に確認できる形にすると次の3つになります。

窓口での言葉だけで判断せず、「相談か申請か」「申請後はどの状態か」「処分が出ているか」の3点を確認します。
いずれも、自分で推測するのではなく、農業委員会に確認して答えを得る項目です。
申請として到達していれば、行政庁の側には遅滞なく審査を開始する義務が生じます。
ただし、そこから実際にどこまで進んでいるかは、義務の有無とは別の話です。
そのため、次の2点を確認します。
- 記載事項や添付書類について、補正または追完を求められている状態か。求められているなら、何をどう整えればよいのか
- 審議はいつの会議で行われる見込みか。前述の対象自治体では定例会議での審議が案内されており、地域によって開催の周期や締切が異なります

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補助的に確認できること
3つの軸を確認するとき、手元にある情報が「どういう性質のものか」を整理しておくと、聞くべきことが明確になります。

誰から聞いた話なのか、いつの話なのか、書面があるか、どの農地についての指摘なのかを整理すると、確認すべき点が明確になります。
誰から誰へ伝えられた話か
窓口担当者から本人へなのか、担当者から代理人(行政書士など)を経て本人へなのかで、情報が何段階を経ているかが変わります。
段階が多いほど、表現のニュアンスが変わっている可能性を織り込む必要があります。
日付が特定できれば、その後に状況が動いているかどうかを確認できます。
控え、通知、指令書などが手元にあるかどうかです。
ただしこれは、あくまで事実を裏づける材料として扱うものであり、書面の有無そのものが手続の成立や結論の有無を決めるわけではありません。
書面がない場合は、その分だけ農業委員会への直接確認の重要度が上がる、という理解になります。
購入しようとしている農地についての指摘なのか、それ以外に持っている農地についての指摘なのかで、対応の方向がまったく変わります。
結果を通知する書面の名称や様式についても、地域ごとに案内が異なりうる部分です。
自分の地域でどう扱われているかは、農業委員会の案内で確認するのが確実です。
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今回の1件は、正式な不許可処分ではなかった
これから紹介する1件は、審査を経て不許可になった事例ではありません。

なお、これはこの1件についての事実であり、他のケースで同じ経過をたどったときにどう扱われるかを示すものではありません。
以降の記述も、この出典の強さを超えない範囲にとどめます。
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既存農家が別の休耕地を主な理由に受付できないと伝えられた1件
申請までに何をしていたか
購入しようとした農地は、約10年間にわたって管理してきた同一の土地です。
その土地について、行政書士に依頼して農地法第3条の許可申請に必要な書類一式を作成し、2026年8月に農業委員会の窓口へ持参しました。
書類の作成と持参は、いずれも行政書士が担当しています。
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主な理由として挙げられたのは、購入予定地ではない別の農地
窓口でのやり取りについて、行政書士から受けた口頭報告の内容は次のとおりです。
- 受付できない旨を伝えられた
- その主な理由として挙げられたのは、購入予定地ではない別の農地が休耕状態であること
- その別の農地は、取得予定者の所有であるという説明だった
つまり、指摘の対象になったのは、これから購入しようとしていた土地ではなく、すでに持っている別の土地の状態でした。

今回の1件では、購入予定地ではなく、約3km離れた既存所有農地の休耕状態が主な理由として挙げられたと報告されています。※実際の位置関係を再現した地図ではありません。
なお、主な理由として挙がったのは上記の点ですが、それ以外に小さな論点が示されていたかどうかは確認できていません。
書面が残っていないため、伝えられた表現そのものも確認できていません。
今回の事例の条件(990㎡/865㎡/約3km/約1年)
この1件の条件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時期 | 2026年8月 |
| 購入予定地の面積 | 990㎡ |
| 問題として挙がった農地の面積 | 865㎡ |
| 2つの農地の距離 | 約3km |
| 問題として挙がった農地の休耕期間 | 約1年 |
| 購入予定地との関係 | 約10年間管理してきた同一の土地 |
| 手続の状態 | 窓口へ持参。正式な不許可処分は出ていない |
| 情報の出所 | 行政書士から依頼者への口頭報告。文書記録なし |
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なぜ、いま持っている農地の利用状況が関わるのか(農地法第3条)
購入しようとしている農地ではなく、すでに持っている農地の状態が話題になる。この構造には、制度上の背景があります。
権利取得には許可要件がある
農地の権利を取得するには、許可の要件を満たしていると判断される必要があります。
農地の売買・貸借では、原則として農業委員会への申請と農地法第3条の許可が必要とされており、個人が農地を取得する場合の許可要件として「農地のすべてを効率的に利用すること」等が示されています(農林水産省/2026年8月確認)。
つまり、買い手と売り手の合意があることと、許可の要件を満たすと判断されることは、別の問題として扱われます。
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取得する農地を含め、すべての農地を効率的に利用することが要件
要件の範囲は、取得しようとしている農地だけにとどまりません。
現行の農地法第3条第2項には、耕作等に供すべき農地等の全てを効率的に利用して耕作等を行うと認められない場合に許可をすることができない旨の不許可要件が置かれています(e-Gov法令検索/2026年8月確認)。
制度の建て付けとして、判断の対象に「すでに持っている農地」が含まれている、という点が要点です。

農地法第3条では、取得予定地だけでなく、既存の農地を含めた利用状況や耕作の体制が関係します。
また、全部効率利用要件について、農林水産省の資料では、耕作に必要な機械の所有状況、労働力、技術等を見て判断すると説明されています(農林水産省/2026年8月確認)。
つまり、土地の状態だけでなく、それを耕作する体制まで含めて見られる構造になっています。
一方で、どのような状態であれば「効率的に利用している」と判断されるのかについて、全国共通の具体的な線引きを本記事で示すことはできません。
個別の状況と各農業委員会の判断によるためです。この点は、次章に挙げる確認項目として農業委員会に直接尋ねるのが確実です。
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面積の下限要件は廃止されている
面積については、かつて存在した下限面積要件(取得後の経営面積が一定以上であることを求める要件)はすでに廃止されています(農林水産省/2026年8月確認)。
そのため、前章に挙げた990㎡・865㎡という数字が、それ自体で取得できるかどうかの分かれ目になるわけではありません。

990㎡・865㎡は今回の1件の条件であり、取得可否を分ける一律の面積基準を示す数字ではありません。
これらはあくまで今回の1件の条件を記録したものであり、一律の下限基準として読めるものではありません。

前項のとおり、全部効率利用要件の判断では機械の所有状況・労働力・技術等から農地を利用できるかが見られるため、経営する農地の規模と、それを扱える体制との関係は判断材料になり得ます。
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今回の1件から言えること、言えないこと、次に確認すべきこと
1件の事例から引き出せる範囲は限られています。

今回確認できたのは窓口段階の1件の経過です。正式な判断や、他の申請にも同じ結果が当てはまることまで示すものではありません。
ここでは、確認できていないことを先に示し、そのうえで次の行動につながる項目を整理します。
今回の1件では確認できていないこと
- 窓口へ持参した行為が、事前相談だったのか許可申請としての提出だったのか:この区別がついていません。
- 審査・審議を経た判断結果:正式な不許可処分は出ていないため、委員会がどう判断したかは確認できていません。
- 補正・追完の要求があったかどうか:文書記録がなく、確認できていません。
- 伝えられた理由の正確な文言:行政書士から依頼者への口頭報告のみのため、表現そのものは確認できていません。
- 主な理由以外の論点の有無:他に小さな指摘があったかどうかは確認できていません。
- 購入予定地の権利関係:約10年間の管理について、賃貸借契約や利用権設定がどうなっていたかは確認できていません。
- 休耕地を解消していれば結果が変わったか:この1件からは分かりません。仮定の結果を示す材料がありません。
- 読者自身の申請がどう扱われるか:地域も条件も判断主体も異なるため、この1件から予測することはできません。
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農業委員会に確認するとよい項目
自分の手続を前に進めるためには、推測ではなく、所管の農業委員会に直接確認するのが確実です。

農業委員会へ確認するときは、「いまの状態」「申請後の状況」「結果」「指摘された農地」の順に整理すると確認しやすくなります。
前章の3つの軸に沿って並べると、次のようになります。
- 提出した書類は、農地法第3条の許可申請として提出された状態になっているか。相談として扱われている場合、申請として提出するには何が必要か
- 記載事項や添付書類について、補正または追完を求められている点はあるか。ある場合、具体的に何をどう整えればよいか
- 現在の審査・審議の進行状況はどうなっているか。審議はいつの会議で行われる見込みか。会議の開催時期や、書類提出の締切はいつか
- 却下・許可・不許可のいずれかの決定はされているか
- 決定されている場合、その内容を確認できる書面は交付されるか。交付される場合の名称は何か
- 指摘された農地の状態について、どのような点を、どのような資料で説明すればよいか
- 説明や資料の提出について、期限や時期の目安があるか

許可するかどうかの判断は農業委員会が行うため、事前に確約を求める形の質問には答えが返りにくいためです。
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自分の側で事前に整理しておくこと
問い合わせの前に手元を整理しておくと、確認が一度で済みやすくなります。

問い合わせ前に、所有・借受農地の状況、休耕の経緯、購入予定地の資料、耕作体制、過去のやり取りを整理しておくと確認を進めやすくなります。
- 農地の一覧:所有・借受けを問わず、所在・面積・現在の利用状況(作付中/休耕など)を並べたもの
- 休耕状態の農地についての経緯:いつから休耕になっているか、理由は何か、今後どうする予定か
- 購入予定地に関する資料:これまでの管理の実績と、権利関係を示せるもの
- 耕作の体制:誰が耕作するのか、使える機械や労働力はどうなっているのか
- これまでのやり取りの記録:いつ、誰に、何を伝えたか。書面が残っていればその控え
この箇条書きは、農業委員会への確認や説明を自分の側で進めやすくするための整理であって、公的な指定様式として示しているものではありません。
つまり、手元で整理しておいた内容は、そのまま申請書の記載や説明の材料として使える可能性があります。
書式にこだわるより、事実と日付が抜けていないことを優先して整理しておくのが実務的です。

そして、そのときにまず必要になるのは、自分の手続がいまどの段階にあるのかを、推測ではなく確認によって特定することです。
手元の農地全体の状態と、それを耕作する体制を説明できるようにしておくことが、その確認の出発点になります。
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