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農業と農機

ローラや山田孝之が選んだ“農業という生き方”──それは、私たち日本の農業を照らす一筋の光

農業と農機, 未分類

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【芸能人の”本気農業”が日本の農業の未来を変える?】

去年から続く令和の米騒動。そして今年も予想される酷暑、水不足。こうした異常事態が続く中で、皆さんの中にも日々、「来年のお米はどうなるのだろう」「お米、高くなったな…」と不安を抱える中、今日も食卓に並ぶごはんに安心し、感謝の気持ちを抱いた方も多かったのではないでしょうか。
今回は、近年、農業から一番遠い存在に思えるきらびやかな世界の芸能人たちが続々と農業を始め、決してパフォーマンスではない本気で農業に取り組む姿を通じて、今こそ私たちが見つめ直すべき食と農業の未来について、深く掘り下げて考察していきます。

【ローラの”本気”が伝わる農業挑戦】

2024年3月、モデルでタレントのローラさん(本名:佐藤えり)が、自身のInstagramで新潟県で農業を学び始めたことを発表しました。彼女の挑戦は、雑穀・お米・野菜の栽培を、自然農法という形で実践するという本格的なものです。母の故郷である新潟に毎月通いながら、1年間という期間をかけて「農の本質」と向き合う姿勢には、多くの人が驚かされました。

活動の背景には、

食の安全や持続可能性に対する強い関心
日本の食料自給率の低さ(カロリーベースでわずか38%)
自然や土に対する感謝の念

といった、誠実で真摯な思いがあります。

「自分の手で土に種をまくことで、命への感謝と愛を深く学びたい」と語るローラさん。その言葉通り、彼女は田植えや収穫、草取りなど、土にまみれながら日々の農作業に真摯に向き合っています。泥にまみれるその姿には一切の飾り気がなく、まさに”本気”そのものです。農作業後に通う村の共同浴場や、格安の宿に宿泊しながら勉強会に参加し、地元の人々と交わる彼女の姿からも、ただの一過性の体験でないことが伝わってきます。

【農業との出会いを後押しした“仲間”の力】

この行動の原点には、志を同じくする仲間たちの存在がありました。

俳優の山田孝之さんは、自身の新プロジェクト「原点回帰」の一環として、山梨の畑で無肥料、無農薬の自然農法を実践。全国各地の専用田畑で、志をともにする多くの仲間たちと一緒に土壌の生命力を取り戻す「菌ちゃん農法」を学びながら、固定種野菜の栽培に力を注いでいます。彼は子どもの誕生をきっかけに食の安全性に関心を抱き、10代の頃からの自給自足への興味が、世界情勢の変化や高齢化する農家の現状と重なり、農業を本格的に始めるに至りました。ローラさんも、彼のそうした農業に対する真摯な姿勢や生き方に共鳴し、農業を始めるきっかけの一つになったとされています。
モデルの水原希子さんも、そんな山田孝之さんの農業ムーブメントに共鳴し「原点回帰」に参加。山田孝之さんとともにローラさんに新潟の雑穀農園を紹介したということです。

単なる憧れや趣味ではなく、持続可能な生き方そのものとしての農業に惹かれる芸能人たち。彼らの間に芽生えた「農の輪」は、まるで一本の根が土中で広がるように、静かにしかし確実に広がりを見せています。

【芸能人の行動が日本の農業に与える希望】

ローラさんや山田孝之さんのように影響力のある存在が農業の世界に身を投じることは、私たち社会全体にとって極めて意義深いことです。

若い世代の意識を変えるきっかけに
「農業=かっこいい、クリエイティブな選択肢」と捉える若者が増える
食の課題に関心を持つ入口となる
SNSやメディアを通して、都市部に住む若者や子育て世代にも農のリアルを届ける
エシカル(※1)、自然循環、ゼロウェイスト(※2)な生き方の実践者として輝く

(※1)人や社会、環境に配慮した考え方や行動のこと
(※2)ゴミを可能な限り出さないようにする考え方や活動のこと

実際に、ローラさんが通う農園には、週末になると若者や家族連れが多く訪れ、農作業や収穫体験を通じて農業の楽しさと奥深さを肌で感じています。その姿は、単なる観光体験ではなく、未来の農業を担う可能性のある小さな芽吹きと言えるでしょう。

【批判も受け止め、成長に変える強さ】

一方で、ローラさんの行動に対しては、一部で安全面を懸念する声や、懐疑的な声もあります。

「裸足で田植えは安全面に問題があるのでは?」
「本気と言っても所詮は芸能人の遊び、話題作りでは?」

といった意見です。

しかし、彼女はそんな世間の声に対して特に反応するでもなく、さらに深く学ぼうとする姿勢を淡々と貫いています。
知名度のある立場であるがゆえに注目も集まり、時には厳しい声も浴びる中、それでも足を止めずに学び、動き続ける──その姿にこそ、未来の農業を照らす強さと希望が宿っているのではないでしょうか。

【芸能人×農業の新たな地平】

ローラさんや山田孝之さん、水原希子さんだけではありません。農業に真剣に向き合う芸能人たちが、少しずつ増えています。

柴咲コウさん
南野陽子さん
磯野貴理子さん
工藤阿須加さん
TOLAND VLOGマサキさん                                                    ダイアモンド☆ユカイさん                                                 高橋メアリージュンさん                                                        杉田かおるさん                                               工藤阿須加さん                                                           池内博之さん                                                       (順不同)                                                                                        

それぞれのアプローチは異なりますが、「自分の手で食べ物を育てる」という体験を通じて、彼らは命と向き合い、日本の農業の大切さを発信し続けています。

【まとめ:本気の行動が照らす農業の新しい夜明け】

農業は、しばしば「3K(きつい・汚い・稼げない)」の代名詞のように扱われてきました。しかし、芸能人たちが意図せず自らの影響力を使って、そのイメージを塗り替えようとしています。

ローラさんが泥だらけになって苗を植える姿、山田さんが鍬を片手に広い畑を一望する姿、水原さんがヤンマーの耕耘機を操作して畑を耕す姿──それらはすべて、「農業ってこんなに美しく、誇りあるものなんだ」と私たちに教えてくれます。

そして何より、その根底にあるのは”純粋な思い”です。誰かに見せるためではなく、自分が感じ、考え、行動する。その姿勢こそが、若者の心を突き動かし、未来を変える力になると信じています。

実際に、ローラさんの農作業写真に「生き方がかっこいい!」「胸にグッときた!」と、批判的な声と同時に、称賛する声も多かったそうです。

私も、『自分が毎日頂いているご飯っていつも誰かが育てて、誰かがそれを運んで、という形でいつも誰かに頼りながら私は食べ物を頂いて生きているんだなという事に氣づいたの(※ローラさんInstagram 原文ママ)』と率直な思いを綴るローラさんの言葉には共感しかありませんでした。
誰もが食べ物を口にしないと生きていけないはずなのに、その食べ物を作ってくれる農家さんに心から感謝し、日本の食糧自給率を心配して自ら強い決意のもと農業を始めた芸能人に対してさまざまに言いたがる…。なぜなのでしょう。とてもかっこいい生き方ですし、胸にグッとくるものがあります。

芸能人たちのこうした挑戦は、日本の農業が抱える深刻な課題に対する、静かで力強い希望の灯です。土と向き合い、自然と共に生きるというシンプルな原点に、多くの人が立ち返るきっかけとなることでしょう。

農業の未来は、今まさに変わろうとしています。そしてその変化の先頭には、まっすぐな想いで畑に立つ人々の姿があります。そこに、確かな光を感じます。

出典一覧

本名公表のローラ、祖先の眠る新潟で〝農業〟修行宣言! 農作業写真も反響「生き方がかっこいい」「胸にグッときた!」』エンタメQ

《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言』ニュースポストセブン

『ローラが日本で“月イチ”農業宣言は吉?自然派活動もスピリチュアル化が心配される元タメ口タレント』 日刊ゲンダイDIGITAL

南野陽子らが京都・舞鶴市で稲刈り 全国的な米不足に「新米が早く届いてほしい」 サンスポ

『山田孝之&水原希子/「好きなこと」を大事にする二人が佐賀県・神埼の畑で有機農業を楽しむ』 Yahoo!ニュース

『【菌ちゃん農法って?】無限の空中チッソが作物の栄養になる 糸状菌ファーストの土づくり』 現代農業WEB

『【前編】山田孝之はなぜ畑を始めたのか。孤高の俳優の魂に回帰するロングインタビュー』 OCEANS

【後編】山田孝之はなぜ畑を始めたのか。孤高の俳優の魂に回帰するロングインタビュー』 OCEANS

原点回帰

『“農家の娘”磯野貴理子、米作りを開始「すごーい!田植え機運転してるー」「ステキです!」 使われていない田んぼ借り「農薬を使わずにお米をつくります」』 産経新聞

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