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相続した田んぼ、放置は損?農地を未来に渡す新常識

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 相続した田んぼや畑を「とりあえず放置」していませんか?実は放置農地は、害獣・雑草・水路詰まりなどを招き、あなた個人の悩みを“地域のコスト”に増幅させます。本記事では、売る・貸す・第三者承継の判断軸と、手続きで詰まらない進め方をまとめます。

放置農地が「地域の爆弾」になる本当の理由

「相続した田んぼがあるんだけど、忙しくて耕せない。かといって売り方も分からないし、とりあえず放置でいいかな……」

この“とりあえず”が、実は一番高くつくことがあります。なぜなら、農地の問題は所有者ひとりの悩みで終わらず、地域のリスクに増幅していくからです。唐沢農機サービスが離農支援サービス『農業アトツギ』を立ち上げた背景にも、まさにここがあります。──「自ら耕作できない」「どう処分すればいいか分からない」「放置すれば周囲に迷惑をかける」。この声が全国に積み上がっています。

放置された農地で起きることは、想像以上に“連鎖”します。草丈が伸びると、まず害獣の隠れ家・通り道になりやすい。次に、雑草や病害虫の温床になって、周辺の圃場にも影響が出る。さらに厄介なのが、ここから先は農業の話ではなく、人間関係の話になる点です。「あそこの田んぼが荒れてて困る」「景観が悪い」「水路が詰まった」──地域の会合で“名前は出ないけど誰の土地かはだいたい分かる”、そんな空気が生まれます。

そして、これは感情論ではなくデータでも裏付けられています。農林水産省の資料では、荒廃農地面積は2024年3月末時点で25.7万haとされ、再生可能な荒廃農地も一定量存在します。さらに、2023年度に新たに発生した荒廃農地面積は2.5万ha。要するに「解消しても、発生が追いつく」構図が続いている。主因として高齢化や担い手不足が挙げられています。

人手側の状況もシビアです。基幹的農業従事者は長期的に減少し、2023年の平均年齢は68.7歳。体力の問題は、気合では埋まりません。

つまり、放置農地の増加は「誰かがサボった」からではなく、構造的に起きている。ここを押さえると、話したくなるポイントが変わります。犯人探しではなく、「じゃあ、地域としてどう“循環”をつくるか?」という議題になるからです。

ここで重要なのが、農地を“きれいに畳む”選択肢を個人に丸投げしないこと。相談・買い手探し・手続き・管理まで、分断されているから詰まります。そこで『農業アトツギ』は、売買や承継の相談支援から手続きサポート、さらに草刈りによる委託管理までを一気通貫で支える設計にしています。

次章では、この「詰まりポイント」を“3つの壁”として分解し、なぜ多くの人が“動けなくなる”のかを言語化します。ここを理解すると、あなたの周りの「相続したけど放置してる」案件にも、次の一手が見えてきます。

「手放したいのに手放せない」農地の3つの壁

農地の相談でよく聞くのが、こんなセリフです。

  • 「貸してもいい。でも、誰にどう貸せばいいの?」
  • 「売りたい気持ちはある。でも、手続きが怖い」
  • 「そもそも、いくらって言えばいいの?」

ここには共通点があります。“意思”はあるのに、動けなくなるポイントが決まっているんです。私はこれを、現場でいちばん詰まりやすい順に「3つの壁」と呼んでいます。


壁1:農地は“ふつうの不動産”と違い、手続きが重い

農地は、宅地のように「不動産屋に出せばOK」という世界ではありません。地域のルールや行政手続きが絡む場面が多く、ここで多くの人が気持ちが折れます。

しかも相続で引き継いだ場合、書類や境界、水利(用水の当番や費用負担)など、“紙に書かれない約束ごと”が背中に乗ってくる。これが心理的ハードルを一気に上げます。

その結果どうなるか。「よく分からないし、迷惑をかけたくないから…」と、動かない選択が最適に見えてしまう。けれど実際は、放置が続くほど草刈りや管理負担が増え、近隣トラブルにも発展しやすい。つまり、壁1は先送りのコストを生む壁です。


壁2:買い手・借り手が“いそうでいない”情報の断絶

次の壁は、相手探しです。

担い手不足は全国的に進んでいて、基幹的農業従事者の平均年齢が2023年で68.7歳という数字が象徴的です。体力と人手が減るほど、引き受けられる農地は限られる。

さらに農地側にも、引き受け手が敬遠する理由があることが多い。

  • 圃場が点在していて移動ロスが大きい
  • 畦畔(あぜ)の草刈りが重い
  • 水が入りにくい/排水が悪い
  • 形が悪くて機械が入りづらい

こういう条件が重なると、「誰かに頼めば何とかなるでしょ」とはなりません。加えて厄介なのが、情報が“外に出ない”こと。地域内でなんとなく回っている話が多く、当事者が都市部にいる相続人だったりすると、接点がそもそもありません。

だから壁2は、能力の問題というより“つながりの設計不在”なんです。


壁3:「いくら?」が決められない。農地単体で値付けしてしまう罠

最後の壁は、お金の話。これが一番ややこしい。

多くの人が「農地=土地の値段」と考えます。でも、農地の承継で本当に大事なのは、土地そのものより“続けられるか(事業として回るか)”です。

たとえば同じ10反でも、

  • すでに販路があり、作付けの型がある
  • 倉庫や機械が使える
  • 近隣との関係が良く、地域に受け入れ土壌がある

こういう条件が揃うと、引き継ぐ側にとっては「初期投資のショートカット」になります。逆に、農地だけポンと渡されても、収益の道筋が描けなければ手が出ません。

つまり壁3の正体は、値段の問題というより価値の言語化の問題です。「農地をどう活かせるか」を語れないと、交渉は前に進まない。


3つの壁を越えるコツは「分解」と「伴走」

ここまで読むと、こう思ったかもしれません。「結局、何から手を付ければいいの?」と。

答えはシンプルで、まず自分がどこで止まっているかを見極めることです。

  • 手続きが不安なら壁1
  • 相手が見つからないなら壁2
  • 条件や価格で固まるなら壁3

そして、これらを一気に解くには、相談から売買・承継支援、手続き、管理までを切れ目なくつなぐ必要があります。『農業アトツギ』が“相談〜手続き支援〜管理”まで一気通貫の支援を掲げているのは、この詰まり方が全国で同じだからです。

次章では、視点を反転させます。
「継ぐ側」から見たとき、なぜ“アトツギ(第三者承継)”がゼロからの就農より現実的なのか。ここが腹落ちすると、農地の話がいきなり未来のビジネスの話に変わります。

跡継ぎ(第三者承継)は“ゼロから就農”より現実的な理由

「農業をやってみたい」と思ったとき、多くの人が最初に想像するのは“ゼロから就農”です。農地を探して、機械を買って、作り方を学んで、販路を作って……。もちろん、その挑戦は尊い。ですが、ここで一度だけ冷静に問い直したいんです。

同じ努力をするなら、スタート地点は高い方がいい。

それが、第三者承継=“アトツギ”の本質です。『農業アトツギ』が目指しているのも、まさに「ゼロからの挑戦を否定する」のではなく、既にある資産を活かして成功確率を上げることにあります。


ゼロスタートの最大の難所は「農地」より「売り先」

就農で本当に厳しいのは、農地を借りることでも、作ることでもありません。最後に待っているのは、「で、どこに売るの?」です。

どれだけ良い野菜を作っても、販路が弱いと価格は安定しない。逆に、販路がある人は多少の不作があっても立て直せる。ここで重要なのが、農業は“生産業”である前に、事業(ビジネス)だという当たり前の事実です。

第三者承継の強みは、この販路や取引の土台が「ゼロではない」可能性が高いことです。たとえば、

  • 既に出荷先がある(直売所、JA、卸、飲食店など)
  • 「あの家の作物なら」と買ってくれる顧客がいる
  • 地域の中で信用が形成されている

これらは、買おうと思って買える資産ではありません。時間をかけて積み上がるものです。アトツギは、その“時間”を引き継げます。


引き継げるのは土地ではなく「稼ぐための型」

第三者承継というと、つい「農地を引き継ぐ話」に見えがちです。でも、本当に価値があるのは農地そのものより、農地の上にある“型”です。

  • 作付けのローテーション
  • いつ何をやるかの作業カレンダー
  • 病害虫の傾向と対策
  • 地域の水利の暗黙知
  • 使える機械・倉庫・資材ルート

つまり、“失敗しにくい運用”がパッケージで存在している。これが、ゼロからより現実的である最大の理由です。

そして、ここで言いにくい本音をひとつ。
農業は、理想だけで続きません。続けるには利益が必要で、利益を出すには「初期投資」と「運転資金」の壁がある。第三者承継は、この壁を低くできます。設備をそのまま活かせるケースもありますし、少なくとも「何が足りないか」が最初から見えます。


ただし、アトツギは“ラク”ではない。責任も引き継ぐ

ここまで読むと、アトツギっていいことだらけに見えるかもしれません。でも、現場はそんなに甘くない。引き継ぐのは資産だけじゃなく、責任も一緒です。

たとえば、地域の寄り合い、用水路の当番、農道の維持、共同作業。これらは事業計画書に書きづらいけれど、やらないと回らない“地域インフラ”です。先代が守ってきた約束を、次に渡す。これが承継のリアリティです。

だからこそ、第三者承継がうまくいく人の共通点は「農業が好き」よりも、「地域のルールを尊重できる」「経営の視点がある」「学び続けられる」の3つだったりします。


「引き継ぐ側」が得するだけじゃない。地域が得をする

第三者承継が広がると、得をするのは跡継ぎだけではありません。地域の視点で見ると、もっと大きい。

放置農地が増えると、害獣や雑草、景観悪化、水路管理など、地域全体の負担が増えます。一方、承継が進めば、農地は再び“動く資源”になり、地域の生産と雇用の種になります。

だからアトツギは、個人の人生設計の話であると同時に、地域の再生の話でもあるんです。

『農業アトツギ』は何をしてくれる?4つのサポートを分解

「農地を手放したい人の“詰まり”を、相談→値付け→手続き→管理まで一本につなぐサービス」です。

しかも特徴的なのが、草刈りの委託管理(オプション)を使わない限り、基本的に無料という設計。これ、農地の悩みを抱えている人ほど「え、どこで儲けてるの?」と二度見しますよね。

では、その“4つのサポート”を、現場の困りごとに対応させながらバラしてみます。


1)農業アトツギ基本プラン:最初の「どうすればいい?」を受け止める

相続した農地があっても、多くの人は最初の一歩で止まります。
「売る?貸す?宅地にできる?誰に聞く?」──この“迷子状態”を整理するのが基本プランです。

リリースには、農地の売買や承継の相談支援に加えて、もし宅地変更(転用)が可能なら、不動産事業者への紹介や、唐沢農機サービスでの販売登録(宅建業)にもつなげると書かれています。つまり農地だけでなく、「土地としての出口」まで視野に入れて道筋を作るイメージです。


2)農業アトツギ登録プラン:農地を「事業」として見立て直す

多くの農地取引は「土地の価値」だけで語られがちですが、『農業アトツギ』は農業の事業価値を算定し、買い手を探すと明言しています。

たとえば同じ面積でも、

  • 収益が出ている作型(品目・栽培体系)がある
  • 既存の販路や取引実績がある
  • 作業の型、地域の信用が積み上がっている

こういう「稼ぐ力」を“見える言葉”にできると、交渉の土台が変わります。農地は急に“安くても仕方ない資産”から、“引き継ぐ価値のある事業”に変わる。これが、後継者探しの成功確率を上げます。


3)売買・承継支援:最大のストレス「申請手続き」を代行・伴走

壁1で触れた、あの“手続き怖い問題”に真正面から対応するのがここです。
リリースでは、申請手続きの代行とサポートを掲げています。

農地の世界は、書類が揃ってからが本番、みたいなところがあります。逆に言うと、ここを伴走できると「やっと進んだ」という体感を提供できます。相談だけで終わらせず、実務で止まらせない。サービスとして大事な芯です。


4)オプション:農地の委託管理(草刈り年1回)

そして最後が、放置農地が地域リスクになる“根っこ”を抑えるメニュー。

荒廃防止のため、年1回の草刈り(乗用モアによる効率的作業)を実施。
料金は年間55,000円(税込)/1町歩までと明記されています。

ここが効くのは、「売るにも貸すにも時間がかかる」という現実があるからです。買い手が見つかるまでの“空白期間”に農地が荒れると、価値も交渉力も下がる。だから先に最低限の管理を入れて、地域への迷惑も抑えつつ、次の打ち手(売買・承継)に時間を使えるようにするわけです。

そして重要なのが、このオプションを使わない限り、上記のサポートは完全無料という点。入口の心理的ハードルを極限まで下げて、「とりあえず相談」を可能にしています。 

“農地の値段”を変えるのは、実は「事業価値」

農地の話をするとき、つい「いくらで売れる?」に目が行きます。でも、この問いの立て方自体が、農地の価値を小さくしてしまうことがあります。

なぜなら、農地は“土地”であると同時に、稼ぐ装置(事業の舞台)だからです。

『農業アトツギ』が「農業の事業価値を算定し、買い手を探す」と打ち出しているのは、ここに真正面から切り込んでいるから。
この視点を持つだけで、売り手も買い手も、そして地域も救われる場面が増えます。


農地単体の値付けは「比較できない」から安くなりやすい

不動産の値段がつくのは、似た物件の“相場”があり、比較ができるからです。ところが農地は、条件がバラバラすぎます。

  • 水利が強い/弱い
  • まとまっている/飛び地
  • 形が良い/悪い
  • 土質、日照、風、排水
  • 周辺の作付けや病害虫の傾向

同じ町内でも別物。比較しづらい資産は、どうしても保守的に(=安く)見積もられがちです。さらに「買った後に儲かるか」が見えないと、買い手は慎重になります。結果、話が進まない。


事業価値とは「この農地で、どう稼げるか」を言語化すること

ここでいう事業価値は、難しい金融工学の話ではありません。もっと生活者感覚に近い。

「この農地(と周辺条件)を引き継ぐと、何がショートカットできるのか?」
これを棚卸しして、相手に伝わる形にすることです。

たとえば、次のような要素は“価値”です。

  • 既存の販路(直売所、卸、飲食店、ECなど)
  • 収益が出る作型(品目×作業カレンダー×人員の型)
  • 使える機械・倉庫・資材ルート
  • 地域の信用(「あそこなら任せられる」)
  • 引き継ぐことで避けられる失敗(病害虫、圃場のクセ)

これを整理すると、買い手の頭の中で「購入」ではなく「投資」の話に変わります。投資なら、人は計算ができる。計算ができると、意思決定が速くなる。


“話したくなる”たとえ:農地は「土地」より「営業権」に近い

ここ、飲み会ネタとして強いので一つたとえ話を。

農地承継って、感覚としては「空き店舗を売る」より、「常連が付いた飲食店を引き継ぐ」に近いんです。

空き店舗(=農地だけ)なら、内装から仕入れから集客まで全部ゼロ。
でも、常連がいて、メニューが回っていて、スタッフが動ける状態なら、次の人は“改善”から入れる。

農地でも同じで、すでに回っている農地には、

  • 収益の出し方(メニュー)がある
  • 買ってくれる人(常連)がいる
  • 地域の信頼(店の評判)がある

こういう“見えない資産”がくっついている。
だから、農地は土地よりも「営業権」や「事業」として見た方が、価格も交渉も成立しやすくなるんです。


事業価値で語れると、売り手も買い手も「後悔しにくい」

売り手側は、「安く買い叩かれた」感覚が減ります。
買い手側は、「買ったけど回らない」という地雷を避けやすくなります。

そして地域は、放置農地が減り、担い手が増え、経済が回る。
つまり事業価値の可視化は、単なる価格交渉のテクニックではなく、地域の循環を作るインフラになります。

『農業アトツギ』が“事業価値を算定して”と明記しているのは、ここに勝ち筋があるからです。

農業×テクノロジーで承継は“速く・広く・透明に”なる

「良い農地(良い事業)なのに、引き継ぎ手が見つからない」
この矛盾は、実は農業がダメだから起きているわけではありません。情報の流れが弱いから起きています。

農地も承継も、“存在しているのに見つからない”と成立しない。ここにテクノロジーが効きます。スマート農業の話だけじゃない。むしろ承継の現場では、もっと手前の「見える化」と「届く化」が強烈に効くんです。


速くなる:手続きや段取りが「詰まりにくく」なる

承継が進まない理由のひとつは、壁1で触れた通り“手続きの重さ”です。
ここでテクノロジーができることは、魔法みたいに書類を消すことではありません。現実はもっと地味。でも地味が一番効く。

  • 必要な書類の整理をテンプレ化する
  • 連絡の履歴や合意事項を一元管理する
  • 現地情報(面積、作付、設備、水利、写真)を同じフォーマットで揃える

これだけで、関係者間の認識ズレが減り、後戻りが減ります。承継で一番コストが高いのは、実は“移動”でも“草刈り”でもなく、やり直しです。テクノロジーは、そのやり直しを減らす方向で効きます。

そして『農業アトツギ』が「申請手続きの代行・サポート」を掲げているのは、まさにこの“詰まり”を現場で見てきたからだと思います。


広くなる:地域の中だけで探さず、担い手市場を“外に開く”

農業の担い手は、地域の中だけにいるとは限りません。
むしろ今は、次のような層が確実に増えています。

  • 就農希望の若手(地方移住、半農半X含む)
  • 異業種からの参入(食品、外食、流通、観光、ITなど)
  • 既存農家の規模拡大(隣接地が欲しい)

でも、地域の“口コミ”だけで回していると、この層に情報が届かない。だからWebが必要になります。

ここでポイントは、「農地情報を載せれば来る」という単純な話ではないこと。届くのは“情報”ではなく、“物語”です。

  • どんな作物が向く土地か
  • どんな設備が引き継げるか
  • どんな販路や取引が残っているか
  • 地域との関係性はどうか

つまり前章の「事業価値」の言語化が、Web上で“引き継ぎ手の検索意図”に刺さる形になる。『農業アトツギ』が事業価値を算定すると言っているのは、見つけてもらう武器になるからです。


透明になる:条件が見えると、ミスマッチが減る

承継が揉めるのは、「話が違う」が起点になることが多い。
だから最初から、条件をなるべく見える化した方がいい。

  • 圃場条件(形状、水、排水、土質、進入路)
  • 必要な作業量(草刈り頻度、用水当番など)
  • 設備の状態(機械、倉庫、ハウスの劣化)
  • 収益のイメージ(品目と販路の仮説)

この透明性が高いほど、買い手は安心します。売り手も、説明の負担が減ります。承継って、恋愛と似ていて、最初に良いところだけ見せると後で破綻します。最初から現実を共有した方が、結局うまくいく。


“稼げる農業”とWebはセット:売る力が経営を救う

農業×テクノロジーというと、ドローンや自動運転やセンサーを想像しがちです。もちろんそれも重要。でも、承継の文脈で外せないのがWebマーケティングです。

稼げる農業は、「作れる」だけでは成立しません。
「売れる」仕組みがある農家が強い。承継で引き継ぐべきは、この売る力の型でもあります。

そしてここで、唐沢農機サービスの存在が効いてきます。リリースにもある通り、『農業アトツギ』は離農支援という現場の課題に対して、相談支援から手続き、管理までをサービスとして設計しています。現場と仕組みの両方を理解しているプレイヤーがいること自体が、承継の成功確率を上げるわけです。


まとめ:テクノロジーは「農業を変える」より先に「承継を前に進める」

承継は、理想論では動きません。
必要なのは、地味でも確実に効く仕組みです。

  • 速く:詰まりを減らす
  • 広く:担い手市場を開く
  • 透明に:ミスマッチを減らす

この3つを揃えると、放置農地は“負債”から“資源”に戻っていきます。


今日からできる:離農側/継ぐ側/企業参入のチェックリスト

承継の話は、知れば知るほど「で、結局うちは何から?」となります。
ここがぼやけると、人はまた先送りします。なので最後は、立場別に“今日からできる”ところまで落とします。読み終えた瞬間に、誰かに話せるように。


1)離農・相続側:まずは「渡せる状態」をつくる(やる順番が大事)

チェックリスト(上から順に効きます)

  1. 境界と範囲を確認
    田んぼの端がどこまでか、畦がどこか。曖昧だと話が進みません。
  2. 水利(用水)のルールを書き出す
    当番、費用、時期。口約束の“地域ルール”は、次の人にとって最大の不安材料です。
  3. 作付履歴と圃場のクセをメモ化
    「こっちは水が溜まる」「ここは倒伏しやすい」みたいな情報は、実は資産です。
  4. 設備・機械・倉庫の棚卸し
    型式や年式、故障箇所。写真だけでも価値が上がります。
  5. 契約関係を整理
    地代、借地、共有名義、相続未登記など。ここを後回しにすると、承継の終盤で詰まります。
  6. “空白期間”の管理方法を決める
    すぐに売れない・貸せない場合、草刈りだけでも入れると地域リスクが下がる。
    『農業アトツギ』は、荒廃防止として年1回の草刈り(1町歩まで55,000円・税込)という委託管理オプションも用意しています。

ここでのコツは、完璧を目指さないこと。
「渡せる情報を揃える」だけで、次の一手が打ちやすくなります。相談から手続き支援、管理までをつなぐサービスがあるのは、まさにこの“途中で止まる現実”が多いからです。


2)継ぐ側(就農・規模拡大):見るべきは「農地」より「利益の作り方」

チェックリスト

  1. 最初の3年の資金繰りを描けるか
    収益が安定するまでの運転資金は、農業の生命線です。
  2. 作る前に「売り方」を決める
    直売・卸・契約栽培・EC。売り方で、必要な作業・人員・品質基準が全部変わります。
  3. 作業カレンダーと労働力の現実を合わせる
    繁忙期に誰が何時間働けるか。ここがズレると黒字でも倒れます。
  4. 地域との合意形成を“仕事”として捉える
    用水、共同作業、集落行事。避けるのではなく、設計して向き合う。
  5. 設備投資は“最小の勝ち”から入る
    いきなり全部揃えない。まず回る型を作ってからアップデートする。

継ぐ側にとっての勝ち筋は、「最初から完璧な農地を探す」より、“回る事業”を引き継ぐことです。
だから『農業アトツギ』が「事業価値を算定して買い手を探す」と言っているのは、継ぐ側の意思決定を速くする設計でもあります。


3)企業参入:農業は“栽培”より先に「経営設計」で決まる

企業が農業参入でつまずくのは、技術不足よりも「設計不足」が多いです。

チェックリスト

  1. 参入目的をKPIに落とす
    売上なのか、原料調達の安定なのか、ブランドなのか。目的が曖昧だと現場が疲弊します。
  2. 生産だけでなく“販売設計”を先に作る
    取引先、物流、規格、価格。ここが決まると栽培設計も決まります。
  3. 地域との関係構築を“投資”と捉える
    地域で信頼を得るには時間がかかる。短期ROIだけで見ると必ずズレます。
  4. 人材の確保と育成(現場責任者の設計)
    農業は現場がすべて。責任者が燃え尽きると事業が止まります。
  5. 第三者承継を選択肢に入れる
    ゼロから農地・設備・信用を積むより、引き継げる資産がある方が成功確率が上がる。

企業ほど、第三者承継のメリットを享受しやすい。なぜなら、経営管理や資金調達、販売網を持っているケースが多いからです。逆に言えば、そこを活かせない参入は苦戦します。


結論:農地は「放置すると負債」、引き継げば「地域の資源」になる

荒れた田んぼは、ただの景観問題ではありません。害獣、雑草、病害虫、水路、近隣関係──小さな放置が、地域のコストに膨らみます。荒廃農地が約25.7万haという数字は、個人の問題が“構造”として積み上がっている証拠です。

でも逆に言うと、ここにはチャンスがある。
農地を「土地」ではなく「事業」として見立て直し、価値を言語化し、Webで広く届かせ、手続きや管理の詰まりを解けば、承継は前に進みます。

『農業アトツギ』は、まさにそのための仕組みとして、
相談支援 → 事業価値の算定と買い手探し → 申請手続きのサポート → 草刈りによる委託管理(オプション)
までを一気通貫で用意しています。しかも草刈りオプションを除き、基本的に無料。だから「まず相談する」ができる。

もしあなたの周りに、
「相続したけど放置している農地がある」
「離農したいけど迷惑をかけたくない」
「農業をやりたいけどゼロからは不安」
という人がいたら、今日の話をそのまま伝えてください。

「農地って、放置すると地域の爆弾になる。でも、引き継ぐ仕組みがあれば“資源”に戻る。農業アトツギって、その詰まりをまとめて解くサービスらしいよ」

この一言が、地域の未来を動かす最初の一歩になるはずです。

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