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農業と農機

「農業、ちょっと気になってる」そんなあなたに―10人の若者が踏み出した“本気の一歩”

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「昔は、地元じゃちょっと有名なヤンチャ組でした」
そう笑って話すのは、今や栃木県藤岡町で農業法人「FJP」を率いる若者たち。
彼らの手には、学生の頃の楽しげな写真。見比べてみると、現在の彼らとはまったく違う印象を受けます。昔の彼らは、いわゆるヤンチャな少年たち。明るく染めた長髪に、派手な服装。でも今は、揃いの作業着に身を包み、眩しい太陽のもと農業に奮闘する精悍な青年たちです。
元は高校時代の幼なじみ。学校を卒業し、大人になった彼らは、IT業界、建設現場、ジムトレーナー、飲食店経営など、全く別々の仕事に就いていました。
卒業してからも地元で定期的に顔を合わせ、遊びに興じる仲良し組でした。それでも心のどこかに、「生まれ育った地元のために何かできたら」という想いがありました。そしてある日、10人全員が本気で農業に踏み出すことになったのです。

月1万円の“遊び貯金”が、未来を変える資金に

彼らは5年間、毎月1万円ずつ同じ口座に積み立て、年に一度の旅行を楽しんでいました。
でもある時、ふと思ったそうです。
「このお金、もっと意味のあることに使えないかな」
誰も農業の経験はありませんでした。でも、飲食店経営の知見や農機具屋の家業、チームワーク―それらを掛け合わせて、「地元の田畑を再生し、育てた野菜を自分たちの飲食店に届けよう」という構想が動き始めました。

知識ゼロでも、情熱は本物だった

荒れた畑を借り、地域の人に「ありがとう」と感謝されることもあれば、農業の厳しさをいやでも知る経験者からは「無理だよ、やめとけ」と言われることも。
それでも彼らは、汗をかき、土にまみれ、未経験の農業で試行錯誤を繰り返しました。
気づけば、耕作放棄地の再生こそが自分たちの使命になっていました。
「田畑が使われていないのが、もったいない」-そんな気持ちが、次第に“農業の未来”を見据える視点に変わっていきました。

農業×SNSで、仲間も土地も広がっていく

FJPのもうひとつの武器が、SNS。
立ち上げからわずか2ヶ月で1万人超のフォロワーを集め、現在活動する田畑の半分はSNS経由の縁でつながったものです。
SNSの発信を通じて、「農業って、カッコいい」と思う若者を増やしたい。
将来の職業として農業を“選ばれる仕事”にしていきたい。
そんなビジョンが、彼らの言葉と行動に宿っています。

地元と未来をつなぐ“新しい農業のカタチ”

「都会には何でもあるけど、地元には“思い出”がある」
そう語るFJPのメンバーにとって、藤岡町は仲間と笑い合える場所であり、今も繋がり続ける原点。何年経っても変わることのない友情を育んだ、かけがえのない故郷。ただ一つ、変わりつつあったのは農業でした。かつては青々と目に沁みた町の田畑が、農業人口の減少と高齢化によって荒れ果ててゆくのを、ただただ成す術もなく眺めていた自分たちがいました。                                           だからこそ、彼らはこの町を“農業の力で元気にする”ことを決意したのです。
目標は、
■藤岡町を栃木一の農業の町にすること
■若者がカッコいいと思える農業スタイルを作り上げること                          ■そして若者が農業を志す選択肢を増やすこと
■数年後には自分たちが主体となって祭りやイベントを主催すること
そのすべてが、自分たちを育んでくれた“過去”への恩返しであり、やがて子どもたちに引き継がれる“未来”への種まきなのです。

農業に少しでも興味がある若者へ

今、農業が気になっているあなたへ。
「でも、知識も経験もないし…」と悩む気持ちもわかります。「農業の時給は10円」「令和の百姓一揆」など不穏な言葉を耳にするたびに、二の足を踏むでしょう。
けれど、FJPの10人は、全員がゼロからのスタートでした。
大切なのは、“誰かがやってるから”ではなく、“自分たちがやりたいから”という気持ち。そして、「自分たちには現状を変える力がある」と強く信じる気持ちがあったからこそ、成しえたことでした。
彼らのような挑戦者が、これからの日本の農業を支え、変えていく。ただただ、荒れ果てていく田畑や、先細りする日本の農業を憂うだけではなく、現実に一歩を踏み出すこと。
その一歩を、あなたも踏み出してみませんか?

今後のFJPの活動、そして彼らが育てる“未来”に、どうぞご注目ください。

【FJP】幼馴染10人で農業 :Instagramはこちら  youtubeチャンネルはこちら
出典 : Yahoo!ニュース 『ヤンチャだった10代の頃。→その十数年後…農業を始めた結果「かっこいい」「応援します」 農業を始めたわけに迫る