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農機のトラブルを未然に防ぐ!整備士が教えるメンテナンスのコツとよくある故障ランキング

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いよいよ農機が本格的に活躍する季節がやってきました。春の作業シーズンを目前に控え、農機のコンディションをしっかり整えておきたいところです。
そこで今回は、日々のメンテナンスの重要性を改めて見直し、故障を未然に防ぐためのポイントを知っていただくために、当社の整備士にインタビューを行いました!
お話を伺ったのは、2級自動車ガソリン・ジーゼル整備士資格があり、最近1級農業機械整備士にも合格した農機整備歴4年目の「コッシーさん」

整備だけでなく営業も担当し、現場とお客様の両方に寄り添った業務を担当しています。得意な機械はトラクターで、「修理した機械がしっかり動いて、お客様に喜んでいただけたときが一番うれしいですね」と、やりがいを語ってくれました。
今回はそんなコッシーさんに、実際の現場でよくある故障事例や、日頃から取り組めるメンテナンスポイントについて、ランキング形式でわかりやすく教えていただきました!

1. よくある故障ランキング

▼第1位:小型エンジン機(管理機・草刈機など)|キャブレター詰まり

管理機

コッシー:一番多いのは、小型のエンジンが載っている管理機や草刈機などで、キャブレターの中に古い燃料が残ってしまって、劣化して詰まってしまうケースですね。その結果、エンジンがかからなかったり、吹けないという症状が起こります。
原因として多いのは、燃料を入れたまま機械を使わずに半年以上放置してしまうケースです。燃料の劣化は3か月程度から始まり、一般的に品質を維持できるのは半年程度とされています。
日頃からできる対策としては、使い終わったら燃料を抜いて保管するのが一番ですが、難しい場合は燃料用の添加剤を入れておくだけでも違います。こういった一手間で、エンジン周りのトラブルはかなり防げます!

▼第2位:小型エンジン機(管理機・草刈機など)|リコイル紐切れ

リコイル紐

コッシー:次に多いのが、エンジン始動用のリコイル紐が切れてしまって、エンジンがかけられなくなるトラブルです。
原因は、リコイル紐の経年劣化や無理な力がかかった場合です。
紐はゴムのように少し伸び縮みする素材なんですが、直射日光に当たったり雨ざらしになったりすると、どんどん劣化していきます。予防としては、直射日光や雨が当たらない所に保管し、4~5年を目安に早めの交換を意識すると安心です。エンジン内部にガソリンがオーバーフローして、リコイルが重い状態のまま無理に引き続けたりするのも紐が切れる原因です。の場合、リコイル紐だけでなく、オーバーフローの原因も取り除かなくてはいけません。

▼第3位:トラクターやコンバイン|バッテリー上がり

トラクターコンバイン

コッシー:3位は、トラクターやコンバインで多い「バッテリー上がり」です。エンジンがかからなくなる典型的なケースですね。
特に冬場やオフシーズンに入って長期間エンジンをかけていないと、作業開始時にエンジンがかからなくなるというケースが多いです。
対策としては、まず使わない期間があるときはマイナス端子を外しておくこと。それから、月に1回程度でいいので20〜30分ほどエンジンをかけてあげるとバッテリーが長持ちします。さらに言えば、充電器を使って補充電するのもおすすめです。

2. メンテナンスについて

―― 日常的にやっておくと効果的な「基本のメンテナンス」には、どんなことがありますか?

コッシー:一番基本で、一番効果があるのは「使ったらきれいにする」ことですね。土や草、油汚れを放置すると、部品が傷んだりサビが出たりして、故障の原因になります。作業後にしっかり清掃しておくことで、機械の寿命も伸びます。

―― 経験者でも見落としがちな「盲点になりやすいメンテナンス項目」はありますか?

コッシー:実は「異音」って意外と見落とされがちなんですよね。機械を動かしていると、普段と違う音がしていても気づかないまま使い続けてしまうことがあります。
でも、その異音ってトラブルの前兆だったりするんです。「いつもと違うな?」と感じたら、早めに相談してもらえると大きな故障を防げることもあります。

3. 整備士としての成長実感とこれからの目標

―― 整備士として成長できると感じるポイントを教えてください

コッシー:失敗しても怒られても諦めずに継続することで、高い技術が身に付きます!

―― 今後の目標についても教えてください。

コッシー:修理をした機械が直ってお客様に喜ばれることを目標に、知識や経験をどんどん積んでいきたいと思います!

まとめ

農機具は自動車と違って車検がないため、所有者が自ら注意を払わないとトラブルの原因になってしまいます。この点を踏まえ、春の作業シーズンを前に農機を安心して使用するためには、日々のメンテナンスが欠かせません!

今回インタビューした整備士のコッシーさんからは、実際の現場で多い故障事例や、その予防策、そして基本的なメンテナンスのポイントまで、分かりやすく教えていただきました。
中でも多かったトラブルは、小型エンジン機のキャブレター詰まりやリコイル紐切れ、トラクターやコンバインのバッテリー上がりといった、ちょっとした気配りや定期的なチェックで防げる内容ばかり。作業後の清掃や保管方法、異音への気づきなど、日常のひと手間が大きなトラブルを防ぐ鍵となります。
また、整備士としてのやりがいや成長についても語ってくれたコッシーさん。「失敗しても諦めずに続けることで技術は身につく」「修理を通じてお客様に喜んでもらうことが何よりの目標」と、まっすぐな言葉が印象的でした!!
ぜひ今回の内容を参考に、春の農作業に向けて農機のメンテナンスを見直してみてください。安全で快適な作業のために、日々の点検とひと手間を大切にしていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!