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【2025年最新版】農機に使えるものづくり補助金の申請方法|初心者でも失敗しない手順を解説!

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はじめに

みなさん、こんにちは!広報チームです☺️
先週の記事でおすすめ補助金3選をご紹介しましたが、申請方法が複雑でなかなか申請に踏み込めないという方が多いのではないでしょうか。
補助金申請は初めてだと、ハードルが高く感じることもあるかもしれません。そこで今回は、2025年4月締切の**第19次公募「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」**を例に、初心者向けに申請の手順と成功のコツをわかりやすく解説します!
なお、農業機械導入に活用できる補助金の情報は以下の記事でご紹介していますので、あわせてご覧ください。

https://sodateru-karasawanouki.jp/wp/%e3%80%902025%e5%b9%b4%e6%9c%80%e6%96%b0%e3%80%91%e8%be%b2%e6%a9%9f%e8%b3%bc%e5%85%a5%e3%81%ab%e6%b4%bb%e7%94%a8%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%e8%a3%9c%e5%8a%a9%e9%87%913%e9%81%b8%ef%bc%81/

1. ものづくり補助金とは?

中小企業や小規模事業者が行う「新製品の開発」「サービス改善」「業務効率化」などにかかる設備投資の費用を、国が支援する制度です。
例えば、新しい機械の導入、業務のIT化、新サービスの展開など、革新性や生産性向上が期待できる事業が対象となります。

補助金額と補助率

▪️高付加価値化枠(基本)

従業員数補助上限額補助率
5人以下750万円中小企業:1/2、小規模企業・再生事業者:2/3
6〜20人1,000万円同上
21〜50人1,500万円同上
51人以上2,500万円同上

補助金額と補助率

※機械装置費(必須)、システム構築費、外注費、原材料費、クラウド利用費、知的財産関連費用などが対象です。


▪️グローバル枠(別枠)

海外展開、輸出、インバウンド対応などを含む事業にはこちらの枠が適用されます。

補助上限額補助率
最大3,000万円中小企業:1/2、小規模企業・再生事業者:2/3

補助金額と補助率

※海外市場調査、現地法人設立、越境EC構築などが対象になります。


▪️ 特例措置による上限・補助率の引き上げ
特例項目内容補助内容
大幅賃上げ給与支給総額の年平均6%以上増加を計画上限額を最大1,000万円加算
最低賃金対応最低賃金+30円以上で雇用する計画補助率を中小企業を2/3に引き上げ

補助金額と補助率

これらの取り組みは、公募要領で加点対象としても明記されています。該当する場合は、計画書内で必ず記載しましょう!


申請スケジュール(第19次公募)

今回の公募のスケジュールは下記になります!

項目日程
公募開始2025年2月14日(金)
電子申請受付開始2025年4月11日(金)17:00
申請締め切り 2025年4月25日(金)17:00(厳守)
採択結果発表2025年7月下旬(予定)

申請スケジュール

※申請の準備には1〜2か月程度かかることが多いため、早めの着手をおすすめします。


補助金申請の流れ(ものづくり補助金 第19次公募)

補助金の申請から受給までは、以下のステップで進みます。

申請の流れ

事前準備から事業終了後の報告までを含めると、半年〜1年以上かかる場合もあります。


【ステップ①】GビズIDプライムの取得

電子申請には「GビズIDプライム」が必須です。アカウントの取得には1〜2週間程度かかるため、まずは早めに申請しておきましょう!
取得先:https://gbiz-id.go.jp/top/


【ステップ②】事業計画書・必要書類の作成

補助事業の目的・課題・取組内容・導入設備・実施体制・成果目標などを記載した「事業計画書」を作成します。その他に、決算書(2期分)、登記簿謄本、納税証明書なども準備します。

補助金申請の成否を分けるのが「事業計画書」です。
難しく感じるかもしれませんが、以下の7つのポイントを押さえれば、初めてでもしっかりとした計画が立てられます。

① 自社の現状と課題を明確にする
現在の事業状況や業界の動向、自社の強み・弱みなどを整理します。
そのうえで、今後の目標に対してどのような課題があるのかを、具体的に書き出しましょう。

② なぜこの補助事業が必要かを書く
その課題を解決するために、なぜこの補助金を使って設備投資を行う必要があるのかを説明します。他の手段ではなく、「本補助事業を活用すべき理由」を明確にすることが大切です。

③ 導入する設備・システムを具体的に
導入予定の機械やシステムについては、型番・仕様・導入目的などを詳しく記載します。単なる設備導入で終わらせず、「どう事業の成長につながるか」まで書きましょう。

④ 取り組む事業内容をわかりやすく書く
新しく開発する製品・サービス、または海外展開の具体的な内容を書きます。特に**他社と何が違うのか(革新性)**を示すことが重要です。

⑤ 市場やターゲットを具体的に
その製品・サービスは「誰の役に立ち、どれくらいの市場があるのか?」を明確にします。顧客層、価格帯、市場規模、競合との違いなどを書けると説得力が増します。

⑥ 実施体制とスケジュール
誰が、いつ、どんな役割で取り組むのかを簡潔に記載します。社内外の体制や、実行可能なスケジュールであることもポイントです。

⑦ 数値目標は根拠をもって
事業によって、売上・利益・付加価値・賃金などがどのように変化するか、具体的な数値で目標を設定しましょう。過去の実績や見積、根拠となるデータを添えて説明すると、実現可能性が高く評価されます。

【補足:補助事業終了後3〜5年の計画に必要な数値目標】
事業計画には、以下の数値目標を必ず盛り込む必要があります。
・付加価値額の年平均3%以上の成長
・給与支給総額の年平均2%以上の成長
・最低賃金+30円以上の水準維持
これらの数値には、根拠や見込みをあわせて示すことが求められます。
また、補助事業終了後も毎年報告が求められるため、無理のない現実的な数値で計画を立てることが重要です。

【補足:グローバル枠の場合】
海外展開を含む場合は、「どの国を対象に」「どのように売るのか」など、**マーケティング戦略(広告・販売促進の方法など)**も具体的に記載しましょう。


【ステップ③】電子申請(jGrants)による提出

申請期間内に、電子申請システム「jGrants」から事業計画書等を提出します。
提出後は内容の修正ができないため、必ず事前に確認を行いましょう。
URL:https://www.jgrants-portal.go.jp/ 


【ステップ④】審査(書面審査・加点・減点評価)

提出された事業計画書に基づき、外部有識者等による書面審査が行われます。
以下の視点で評価されます:

  • 課題と解決策の妥当性・革新性
  • 設備投資の必要性
  • 成果の実現可能性
  • 実施体制とスケジュールの確実性
  • 数値目標の明確さ
  • 加点項目(賃上げ、グリーン投資など)への取組 など

【ステップ⑤】採択結果の通知

審査を通過すると「採択通知」が届きます。ここでは、補助対象として認められたことのみが示され、まだ事業には着手できません。


【ステップ⑥】交付申請・交付決定

採択後、正式な「交付申請書」を提出し、交付決定通知を受けてから事業を開始します。
交付決定前に契約・発注・支出を行った経費は補助対象外となるため、注意が必要です。


【ステップ⑦】事業実施・支出・証憑の保管

交付決定後、実際の設備導入や取組を進めます。
機械導入時の請求書・領収書・振込記録・導入写真などはすべて保管しておきます。


【ステップ⑧】実績報告・補助金の確定・請求

事業終了後、「実績報告書」および必要な証憑書類を提出します。
審査のうえ、補助金の交付決定額の範囲内で、実績に応じた補助金額が確定し、支払いが行われます。
この時点で初めて補助金が振り込まれます。


【ステップ⑨】事業化状況報告(年次報告)

補助金を受けた事業者は、補助事業終了後も、3〜5年の間「事業化状況報告書」の提出が必要です。
この報告により、売上・付加価値・給与などの数値目標の達成状況が確認されます。


採択率アップのコツ

加点項目を活用する

以下のような取組は審査時に加点されます。

  • 大幅な賃上げの取組
  • グリーン投資(GX)への対応
  • 経営革新計画の承認取得
  • 前回不採択からの改善再チャレンジ

支援機関の力を借りる

よろず支援拠点や商工会議所では、事業計画書のブラッシュアップ支援を受けられます(無料のことが多いです)。


不採択事例を避ける

  • 類似した事例をそのまま使っている
  • 単なる設備導入で革新性が乏しい
  • 外注任せで自社の主体性がない
  • 数字や成果目標が曖昧

これらは審査上マイナス評価になる可能性が高いため注意しましょう。


まとめ

ものづくり補助金は、企業の新たなチャレンジを後押ししてくれる制度です。
準備には時間がかかりますが、正しい流れを押さえれば初めてでも十分対応可能です。
まずは「GビズID」の取得から始めて、計画を整理し、ぜひチャレンジしてみてください!
唐沢農機サービスのYouTubeチャンネルでは「小規模事業者持続か補助金」(※2024年5月27日に募集を締め切った過去回分を元に作成)の申請についての動画も公開しています。
こちらは動画で説明していますので非常にわかりやすいです!
ぜひご確認ください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さまのスキとフォローをお待ちしています!☺︎


注意事項・参考資料について

本記事の内容は、**「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(第19次公募)」**をもとに作成しています。
補助金制度は公募回によって制度内容・要件が変更される可能性があります。
申請にあたっては、必ず最新の公募要領をご自身でご確認ください。

【参考資料】:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
       公募要領(第19次公募)PDF

出典:ものづくり補助金総合サイト